PAS交換と点検の必要性

電気設備の安全性と信頼性を確保するうえで、PAS(気中負荷開閉器)の適切な管理は非常に重要です。本記事では、PASの基本的な役割から交換の必要性、定期点検の重要性まで、詳しく解説していきます。

PASとは

PAS(気中負荷開閉器)は、高圧電気設備において重要な役割を果たす保護装置です。主な役割は、電流の遮断と分岐、故障や異常時の安全な電流遮断、波及事故の防止です。PASは高圧電気設備の入り口に設置され、電力会社から供給される電力を安全に制御する役割を担っています。

PASの耐用年数とは

PASの耐用年数は一般的に20〜30年と言われていますが、実際の使用環境や条件によって大きく変わる可能性があります。気象変動や環境の変化を考慮すると、10〜15年を目安に交換を検討することが推奨されています。PASの寿命に影響を与える要因としては、設置環境(湿気、塩害など)、メンテナンス状況、自然災害(雷、風雨など)の影響などが挙げられます。特に、湿気の多い場所や塩害の影響を受ける沿岸部では、PASの劣化が早まる傾向にあります。そのため、設置環境に応じて適切な交換時期を判断することが重要です。

PAS交換工事を怠るとどうなるのか

PASの交換を適切に行わないと、以下のようなリスクが高まります。

⓵突発的な故障や停電

絶縁性能の低下や接触不良により、予期せぬ停電が発生する可能性が増加します。特に工場では、一度の停電が甚大な損害をもたらす可能性があります。

②安全性の低下

経年劣化によりPASの性能が低下し、電気事故のリスクが高まります。これは人命や設備に危険を及ぼす可能性があります。

③メンテナンスコストの増加

古いPASは故障や不具合が増加し、修理やメンテナンスにかかる費用が増大します。

④エネルギー効率の低下

古いPASは最新のものに比べてエネルギー効率が劣るため、電力消費が増加し、電気料金の上昇につながる可能性があります。

PASには定期的な点検も必要

PASの安全性と信頼性を維持するためには、定期的な点検が不可欠です。定期的な点検を行うことで、早期に異常に気づけたり、長寿命化、コスト削減などに繋がります。PASの点検項目は多岐にわたり、素人が充分な点検を行うことは困難です。また点検に資格が必要な場合があります。例えば、高圧や特別高圧設備に関連する作業の場合、電気事業法や労働安全衛生法に基づいて資格や認定を受けた作業者が点検を行うことが求められます。

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